ミャンマーから介護人材を受け入れる為には、ミャンマーにある送出機関との協力が不可欠です。ただ日本の採用担当から見ると、ミャンマーではどんな手続きをしているのか気になりますよね。今日はミャンマー介護人材を日本に入国させるにあたって、ミャンマー側で必要な申請の流れを説明します。
ミャンマーの介護人材をスムーズに入国する為に、参考にして頂ければ幸いです。
【1】求人票(デマンドレター)を作成、送出機関に送る
受入機関(雇用元)から提示された労働条件(労働時間、給与、休日、福利厚生等をA4の1枚の紙にまとめ、最後に登録支援機関の代表者による直筆サインを入れましょう。
送出機関によっては、日本語、英語、ビルマ語の表記で作成を求められることもありますので、登録支援機関に依頼しましょう。
「介護」特有の注意点として、いくつかあります。
(1)仕事の種類として「Nursing」の表記は訂正を求められました。言葉選びは注意しましょう。私は「Kaigo」で通りました。
(2)手当はくわしく書きましょう。夜勤手当、食事手当等は、特定技能外国人を引き寄せる重要な要素です。
(3)福利厚生はくわしく書きましょう。寮があるかどうかを見ているミャンマーの方は多かったです。
求人票(デマンドレター)が出来上がったら、提携している送出機関(ミャンマー)に送ります。初回の場合は「原本」を求められますので、DHL等の国際郵便で送出機関に郵送する必要があります。データでOKになるのは2回目以降でした。
【2】送出機関が求人票(デマンドレター)をMOLIPに申請する
正しくは、ミャンマー連邦共和国労働・入国管理・人口省といいます(以下、MOLIP)。最近は求人票(デマンドレター)の基準も厳しくなりました。今までは問題なかったのに、表記を訂正して原本を再度提出、という事態もまれにありますので、送出機関と情報連携しておいた方が良いでしょう。
【3】MOLIPから外務省(ミャンマー)を経由して駐日ミャンマー大使館に情報連携
求人票(デマンドレター)に問題がなければ、ミャンマーの外務省に情報が連携されます。求人票(デマンドレター)が本当に日本から依頼があったのか確認をするため、ミャンマーの外務省から日本にあるミャンマー大使館に情報連携されます。
【4】駐日ミャンマー大使館から登録支援機関にFAX。書類を送付する。
駐日ミャンマー大使館のLabour Sectionから、必要な書類を駐日ミャンマー大使館に送るように、登録支援機関へFAXで依頼があります。 1ヶ月程の猶予はありますが、登録支援機関はすぐに駐日ミャンマー大使館に郵送しましょう。必要な書類は以下のとおりでした。
【 必要書類 】
◆ 登録支援機関の履歴事項全部証明書の写し(発行から6ヶ月以内)
◆ 受入機関の履歴事項全部証明書の写し(発行から3ヶ月以内)
◆ 登録支援機関の担当者の名刺 もしくは 名刺の写し
◆ MOLIPから送出機関に送付されたForwarding Letterの写し
◆ 送出機関に提出した求人票(デマンドレター)の写し
◆ 大使館からのFAXの写し
【5】駐日ミャンマー大使館が書類を確認し、外務省(ミャンマー)に連携
駐日ミャンマー大使館が到着した書類を確認します。駐日ミャンマー大使館の確認審査が終わると外務省(ミャンマー)に連携されます。
【6】外務省(ミャンマー)がMOLIPに連携、送出機関に通知書を発行する
求人票(デマンドレター)が問題なく日本から依頼されたものと確認したら、MOLIPに情報連携されます。
日本も含めた求人票(デマンドレター)が問題なかったことを、MOLIPから送出機関に通達書で通知します。この通達書の取得が在留資格認定証明書(COE)と並んで時間がかかる書類です。
【7】送出機関がMOLIPに海外労働許可証(Smart card)を申請する
いままでの手続きの集大成です。通達書やミャウダゴン講習受講証、在留資格認定証明書(COE)や査証(VISA)等、主要な書類をそろえて海外労働許可証(Smart card)を申請します。
【8】海外労働許可証(Smart card)が発行される
審査を経て海外労働許可証(Smart card)が約2週間~1ヶ月で発行されます。海外労働許可証がミャンマーにおける事務手続きの最終ゴールと言えるでしょう。
【9】ミャンマー出国が可能になる
海外労働許可証(Smart card)、査証(VISA)、旅券(パスポート)、航空チケット、日本の生活に持っていきたい荷物を持って、ミャンマー出国となります。
以上が求人票(デマンドレター)の申請から、海外労働許可証(Smart card)発行の流れでした。
求人票(デマンドレター)の修正をしないままにしておくと、いざCOEが発行され査証(VISA)申請が出来ても、海外労働許可証(Smart card)が申請できず、思わぬ足止めを食らうことになってしまいます。ミャンマー介護人材受け入れの参考になりましたら、幸いです。
【 この記事を書いた人 】Myanmar Love
2019年から登録支援機関でミャンマーを担当&申請等取次者。
BPO採用コーディネーター、携帯電話販売代理店の人事総務、鍼灸接骨院採用アドバイザーを経て現職。人材採用の経験は12年程。低コスト採用手法や事務効率化が得意。仕事に悩む気持ちが少しでも軽くなって欲しいです。
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